「リアル人生ゲーム完全攻略本」いかにして人生というゲームで幸福点を稼ぐのか

リアル人生ゲーム完全攻略本 (ちくまプリマー新書 286)

リアル人生ゲーム完全攻略本 (ちくまプリマー新書 286)

架神恭介 至道流星

 

リアルな人生の説明書と攻略本

 人生を神が作ったゲームと見立て、説明書篇と攻略本篇に分けて書いてあります。説明書篇によると、義務教育がチュートリアルで、ジョブ選択があり、結婚や離婚などのイベントが一定確率で起こることや、高学歴などのトロフィーや各プレイヤーの隠しパラメーターであるタイプが存在するようです。そしてプレイヤーは寿命とお金という基本的にはトレードオフのリソースを上手に使いながら幸福点を多く稼ぐことを目指していくようです。

    攻略本篇では、労働力からお金という変換行為が不要である早期リタイヤや、今後起こりうる少子高齢化や自然災害などのイベントについての説明があります。

 

心が軽くなる

 さくさく読んだ後は、どこか人生が気楽なものに感じました。もし何か悪い出来事があったとしてもバッドイベントだと思えば良いし、労働力からお金への変換効率を上げるためのスキルを身につけると思えば勉強なども楽しめます。

 

いかにして幸福点を稼ぐか

 人生の目的が幸福点を稼ぐことというのも大事な設定です。お金を稼ぐことでも、社会的地位を上げることでも、異性にモテることでもありません。そのバグを利用して幸福点の暫定1位にいるのが釈迦です。つまり、実は効率よく寿命をお金に変換し幸福点を稼ぐまでもなく、自分の心次第でどのような状況でも幸福点を獲得することができるのです。もちろん、なかなか釈迦の境地には行けないでしょう。しかし、そのような裏技があることを知り時々そのコマンドを入力して見るのも良いのではないでしょうか。

 

 大切なお金というリソースで本書を購入しましたが、今後人生をプレイするにあたり説明書と攻略本を一読することは大きな差になるのではないでしょうか。