「東大から刑務所へ」刑務所に入ってレベルアップした堀江貴文氏と井川意高氏
東大から刑務所へ (幻冬舎新書) 堀江貴文 井川意高
どんな本?
東京大学に入学し事業でも”成功”したが、刑務所で懲役刑を勤めたという共通点を持つ2人による対談形式の本。経営時代から刑務所内での生活、東大に入るまでの話や出所後のことについて話している。
最近よくあるけど、本の途中に「ムショの教え」や「東大の教え」と題した名言っぽいことを書いたページもある。わたしは好きじゃないけどね。
2人が刑務所あるあるや、刑務所ごとに異なるルールの違いを話しているところがつぼ。拘置所派?刑務所派?とか「いや、知らんし!」ってなる。
刑務所に入ってレベルアップ
2人がすごいのは刑務所に入って確実にレベルアップしていること。途中から刑務所入るのも悪くないって思えるくらい、そこでの経験をポジティブに捉えてるんだよ。
はじめにで井川さんは「獄中生活では、苦手だった理系の知識を補填するために講談社ブルーバックスの本をよく手に取った。キリスト教、イスラム教、仏教、神道などの宗教や古典、近現代哲学についても、広く浅く一通り勉強し直した。3年2ヶ月の間に、4年生大学の教養課程で学ぶべき前半2年分の勉強をもう一度やり直せたのだ。(中略)刑務所での学習の日々は、私の後半生におおいなる恵みをもたらすに違いない。」と言っている。え、どんだけポジティブなの?
さらに井川さんは「やっぱりシャバの悩みの90%は仕事と女だね。こっちには仕事の悩みも女の悩みもない。だから本当にストレスフリーだよ。」とも言っている。まじか、、、。
ホリエモンも常に本はストックしておいたり、twitterやメルマガなどを紙に印刷して持ってきてもらったもので情報収集していた。出所後はさらに「多動力」を使って幅広く活動している。
やっぱり辛い刑務所生活
ホリエモンは「長野刑務所に入った当初、ウツ状態になってけっこうキツかった」し、「全然口にしたことがなかった精神安定剤や睡眠導入剤を、獄中で処方してもらって飲んで」たりとか、拘留期間中は弁護士以外の誰とも話せないことが辛かったらしい。
井川さんはコンビニのレジで甘いものを食べる夢を見るようになっていたり、創業家2代目の父へかけた迷惑が辛かったみたい。
2人の辛いエピソードを読んでいると、今生活している環境がどれだけ自由で可能性があるのかをつくづく思い知らされました。楽しまなきゃね。
刑務所本は貴重なので、いざという時の情報としておすすめです!
本書の中で言及された本
「獄中記 (岩波現代文庫)」佐藤優
佐藤さんが獄中で大量の本を読みまくっていたことなどが書いてある。
「沈まぬ太陽 (新潮文庫) 」山崎豊子
JAL便の御巣鷹山墜落事故を描いた本。ホリエモンが泣いた。
「夜と霧 新版」ヴィクトール・フランクル
井川さんが感動して涙。
「熔ける 大王製紙前会長 井川意高の懺悔録 (幻冬舎文庫)」井川意高
井川さんが仮釈放された直後に出版。自伝。
「ゼロ―――なにもない自分に小さなイチを足していく」堀江貴文
自伝。アマゾンの総合売上で「溶ける」に負けて1位を取れなかった。
読みたくなった本
「刑務所わず。 塀の中では言えないホントの話 (文春文庫)」堀江貴文
ホリエモンが「刑務所内でトラブって歯抜け」になったと言っていて、そのエピソードが気になった。この本には載ってるかな?「刑務所なう。 ホリエモンの獄中日記195日 (文春e-book)」もあるから、どちらかには書いてあるんでしょう。
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