【Netflixおすすめ】ネタバレ感想|ブラックミラー「1500万メリット」
Netflixで人気シリーズ「ブラック・ミラー」のシーズン1ー2「1500万メリット」を観ました。
ネタバレありで感想を書くので、まだ観てない人は注意してください。
あらすじ
液晶に囲まれた、ベッドが2つ程度しか置けないような部屋に住む人々。
やることは自転車を漕ぐという肉体労働。
この労働によって「メリット」と呼ばれるお金が増えていきます。
生活する中でメリットを使う機会はたくさん用意されています。
食事をしたり、歯磨き粉を買ったり、アバターの髪型を変えたり。
朝起きて、自転車を漕いで、消費するというサイクルを、ただただ無機質な空間で繰り返していくだけです。
この生活から抜け出すためには、オーディション番組に参加し、認められ、自分が出演すればいいんです。
そのオーディションへのチケット代が「1500万メリット」です。
勤め人を脱するために
「本物」を失った主人公は、1500万メリットを貯め、オーデイションの会場で審査員たちに復讐をすることを決意します。
このオーディションに挑戦し自分の番組を持つための過程が、ラットレースを抜け出す過程と似ているのです。
ラットレースについては言わずと知れた名著「金持ち父さん貧乏父さん」に分かりやすく書いてあります。
「1500万メリット」の中では、自転車を漕ぎ続けることです。
自転車を漕いで稼いだメリットをちまちまと消費し、翌日もまた自転車を漕ぐのです。
普通にしていてはラットレースから抜け出すことができません。
主人公は抜け出すために
・節約してタネ銭を貯める
・コンテンツを制作する
・独自のエッセンスを加える
という3つのことを行いました。
節約する
一刻も早く1500万メリット貯めるため、徹底的に節約します。
ご飯は人の残り物を食べたり、歯磨き粉はほんの少しにしたり。
これは独立するときも同じですよね。
まずは事業の元手となるタネ銭を貯めます。
まあ最近はクラウドファンディングなんかもありますけどね。
コンテンツを創る
オーデイションでは自分のコンテンツを発表する必要があります。
歌、ダンス、マジックなど。
主人公は、あの狭い部屋の中で体を動かし続けます。
1人でダンスの練習をするんです。
そして、特別優れたダンスというわけではないけれど、それなりに観客が楽しめるダンスができるようになります。
独自のエッセンス
ダンスの後には、本来の目的であったスピーチを始めます。
即興で、溜まりに溜まった不満をぶちまけるのです。
さらにそれだけではなく、独自のエッセンスをふりかけました。
それが、ガラスの破片を自分のクビに突きつけるというものです。
緊迫感が増し、周りの人も近づくことができなくなります。
コンテンツを創るときは、真似から初めて少し独自のエッセンスを付け加えるといいです。
それでも社会の歯車の中
オーデイションの場に行き、自分の言いたいことを言い切った主人公。
もしや、こっから虐げられる側の反乱でも起こるのかな?
と思っていると、ボロクソに言われた審査員が主人公を褒め始めるではありませんか。
そのスピーチ力がすごい。週に2回30分の番組をやってみないかと。
この審査員の対応は見事で、不満をぶちまけるはずの主人公は、自転車漕ぎのラットレースから抜け出し広い家に住み、週に2回番組のために配信をする生活に。
その様子はまるで、「好きな事を仕事に」というメッセージを発するYoutuberのようです。
窓からは、今までの広告で囲まれた壁とはい一転、美しい森が広がり鳥が飛んでいます。
でも、僕にはこれも液晶に映る映像のように見えました。
自転車を漕がなくて良くなったものの、主人公が不満を持っていた偽物だらけの社会の歯車の中から脱することはできなかったのです。
おわりに
本作もさすがブラックミラーと賞賛できます。
現在の広告ビジネスを誇張した設定や、自転車を漕ぐラットレースなど、随所にブラックユーモアが見て取れました。
最後まで観ていい気持ちにはならないけれど、それがブラックミラーファンの求めるところです。
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