「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」から学ぶ吃音症の特徴
あらすじ
「志乃ちゃんは自分の名前が言えない」の主人公である大島志乃ちゃんは、吃音症で母音から始まる言葉を言うことが苦手です。
志乃ちゃんは高校に入学しました。初日の恒例行事といえば、自己紹介です。彼女の名字は大島で、「お」という母音から始まるため発音するのが苦手です。苦手だと思うとより緊張して上手く言えなくなってしまいます。前の晩に練習するものの、案の定当日はみんなに笑われる結果となってしまいました。
そんな志乃ちゃんが友達をつくり、喧嘩し、歌い、様々な想いに葛藤していく話です。
吃音症の特徴
連発型と離発型
吃音症には「連発型」と「離発型」があります。
「連発型」は「おおおおはよう」のように最初の音を連発してしまう症状で、離発型は言葉が出てこなくなってしまう症状です。
志乃ちゃんは「離発型」。
話せるかどうかには波がある
吃音には波があって、そのときの調子によってスラスラ話せたりつっかえることが多くなったりするそうです。
志乃ちゃんも比較的スラスラ話せるときもあれば、全然言葉が出てこなくなってしまうこともありました。
歌ではつっかえない
志乃ちゃんは歌うときは吃音の症状が出ませんでした。メロディーに乗せることで言葉が出て来やすかったのかもしれません。
苦手な言葉を言い換える
志乃ちゃんは、「ありがとう」を「サンキュー」と言い換えていました。母音から始まる「ありがとう」を発音するのが苦手であるため、代用できる言葉に変えたのです。
吃音症の人は、このように自分が発しやすい言葉に変換することが多々あるようです。
誰にでも当てはまる漫画
志乃ちゃんは吃音症ですが、漫画の内容は普遍性のある物語になっています。
僕も学生時代には、言いたいことが言えなかったり、言いすぎてしまったり、そんな後悔をしてばかりでした。いや、今でもです。さらに、自分のコンプレックスがコミュニケーションの邪魔をしていることもあります。
でも、志乃ちゃんが言うように「これがずっと私」なんです。
自分の嫌なところも受け入れて逃げずに進む。そんな勇気を与えてくれる漫画です。
1巻で完結してサクッと読めるのでおすすめです!