大切なものへの普遍的な接し方を教えてくれる。「松浦弥太郎の新しいお金術」の感想

 

松浦弥太郎の新しいお金術 (集英社文庫)

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松浦弥太郎の新しいお金術

著者 松浦弥太郎

 

松浦弥太郎さんはCOW BOOKSという古本屋の店主もしています。

以前、中目黒店に行きました。

小さな書店の中はとても落ち着いた雰囲気で、真ん中には大きな6人くらいが使える机が置いてありました。また、本棚の上には電光掲示板があったのが印象的です。

お土産にメガネ型の赤い栞と町でいちばんの美女を買いました。

松浦さんの本はどれも優しい語り口なので読んでいて癒されます。

そんな彼がお金について書いたのが本書です。

ではさっそく内容を見ていきましょう。

「お金さん」と呼ぼう

「お金さま」だと、いささかていねいすぎる感じもあるので、僕としては「お金さん」と呼んで付き合うくらいが、しっくりきます。

今日からお金を、「お金さん」と呼んでみる。これが、お金といいつきあいをする第一歩です。

「お金さん」と呼べば、お金とのつきあいが変わるし、人生の風向きも変わる。

僕はこのごろ、大真面目にこう思っているのです。

まさかのお金の呼び方から。

一瞬、弥太郎節に戸惑いましたが、「お金さん」と愛情を込めて呼ぶことの意味は、お金を友達のように大切にするという本書で繰り返し語られる心がけからきています。

ぼくは「お金さん」とは呼びませんが、それくらいお金に大切に接する気持ちは真似したいものです。 

お金さんと時間さんは仲良し

「お金」を大切にしていますか?」という質問は、「時間を大切にしていますか?」という質問とイコールだと考えています。

例えば、お金を大切にしている人は時間を大切にしているし、お金を上手に使っている人は、時間の使い方も上手です。

経済学の用語で「機会費用」という言葉があります。

機会費用(きかいひよう、opportunity cost)とは、時間の使用・消費の有益性・効率性にまつわる経済学上の概念であり、複数ある選択肢の内、同一期間中に最大利益を生む選択肢とそれ以外の選択肢との利益の差のこと。最大利益を生む選択肢以外を選択する場合、その本来あり得た利益差の分を取り損ねていることになるので、その潜在的な損失分を他の選択肢を選ぶ上での費用(cost)と表現している。

機会費用 - Wikipediaより引用)

具体的には、アルバイトで時給1000円稼げる人が1800円を支払って2時間映画を見たとします。

実際に財布から出て行くお金は1800円ですが、アルバイトしていれば2000円稼げた時間も映画に使っているので機会費用は3800円になります。

つまり、それだけのことを犠牲にして今の行動を選択しているということです。

あることをやる分、他のことができない。人生はトレードオフです。

もっと目の前のことに集中しなきゃもったいない気がしてきます。

この機会費用の概念を知っていると、お金と時間に対しての感覚がより研ぎ澄まされるように思います。

年代にふさわしいお金プランを

二十代は、自分に投資をする時期です。お金を貯めるのではなく、使う方がいいでしょう。好き放題に使っていいというわけではありません。経験したり学んだり、常に投資することです。(中略)二十代は試行錯誤しながら、自分の中にどんな種を蒔けば芽が出るのかを考えることが重要だと思います。

種は一つとは限りませんから、選び方を学ぶことも大切です。トライアンドエラーができるのも、二十代の特権。ちなみに僕の場合は、いっさい貯金をしませんでした。

20代は自分に投資をする時期とのことですが、まさにそのとおりだと思います。

年功序列がはびこる会社では、働き始めてから数年は薄給です。ほとんど生活費や交際費、書籍代(これが大きい!)などに消えてしまいます。

そんな状況で一生懸命切り詰めてやっと100万円を貯めたとしても、それは年収が100万円上がったときに、今の生活レベルを維持していればほっておいても貯まる額です。

20代で100万円があるなら、アジアでバックパック旅行したり、九州のななつ星に乗ったり、なにか自分のなかに種まきをしたいです。

生活を切り詰めるより年収をあげることとお金の使い方を上達させるための努力をした方がいいでしょう

といってもぼくは毎月収入の2割で投資信託を買っています。これは投資の勉強と複利の恩恵を期待しているので銀行に貯金しているのとは違いますよ。ね?

投資信託で月15万円の不労所得を得る「お金は銀行に預けるな」の感想 - ヨリミチ書店

小手先のお金のテクニックではなく、お金に対するときの基本的な考え方を教えてくれる本です。本書を読んで、すぐにお金持ちになったりはしませんが、不変的な「大切なもの」への接しかたを教えてくれます。

以上、ふじわらよしと( @FujiwaraYoshit0 )でした。

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