【Netflixオリジナル】視聴者の課題に応えて賞金稼ぎ「NERVE/世界で一番危険なゲーム」
小学生のときに、マンションの2階の窓から飛び降りたことがあります。
鬼ごっこをしていたときでした。
着地した瞬間、じーんと体に電撃がはしり、右足首に違和感を感じました。そのあと無事に鬼から逃げ切れた記憶はありますが、鬼ごっこ中ずっと足が痛かったです。
なぜそんなに危険なことをしたかというと、鬼が迫ってきていたし、周りの目もあったからです。2階から飛び降りて逃げ切ったら、なんかかっこよくないですか。
周りの目があると、自分1人じゃできないこともできるようになってしまうんです。
TwitterやYouTubeで、いたずらという域を過ぎた過激な迷惑行為をしている人がいますよね。おでんをつんつんしたり、コンビニのアイスケースに入ったり。きっとこんなことは、誰も見ていないところではやらないはずです。周りが囃し立て、普通はできない行為をするという「勇気」を見せることができるからやってしまうのではないでしょうか。
Netflixオリジナル作品の「NERVE/世界で一番危険なゲーム」は、まさにそんな現実を揶揄するかのような話でした。
NERVEというネット上のゲームが流行ります。
ユーザーは視聴者か挑戦者とう2つの楽しみ方を選ぶことができ、視聴者はお金を払って視聴し、挑戦者は次々出される課題に自分のスマホで撮影しながら取り組み、成功すればお金をもらえます。課題に失敗すると脱落し、最後の1人になるまで続けます。
主人公の親友の女の子はチアガールで、ラグビーの試合のパフォーマンスのときに観客の前でおしりを出します。もちろんスマホで撮影して課題に挑戦しているところを、さらに大勢のスマホの向こう側にいる視聴者にも見せます。
根暗な主人公があるきっかけでこのゲームを始めるようになり、いつの間にか人気配信者になっていきます。
僕は「ブラック・ミラー」が大好きです。数年後に実際におきそうなディストピアをこれ以上ないくらい上手に描いています。なんなら、すでに起きていることも。
その繋がりで「NERVE」がレコメンドされたように思うのですが、「NERVE」は「ブラック・ミラー」と比較すると、メッセージは単純明快な正論をどストレートに伝えてきて、ゲーム自体の設定には穴があるような薄い作品でした。ポジティブに捉えるなら、軽く観れるということにもなりますが。
パソコンを使っているときの描写はかなり良かったです。メールを返そうとしたらFacebookが気になり、と思ったらSkypeで連絡がきてという始めのくだりなんか、リアリティが気持ちよかったです。
そう、決してつまらない作品ではないので、なにか軽く観たいときにいいです。
ということで、ディストピアものは断然「ブラック・ミラー」がおすすめです!
まずは「クロコダイル」や「アークエンジェル」からどうぞ。「ブラック・ミラー」のシリーズは1話完結なので、どのエピソードから観ても問題ありません。